秘すれば花

なんとなく日々の出来事、みなさんに教えたいこと書いてます。

【舞台レポ】千と千尋の神隠し

残念ながら、各地の公演を申し込んでも全落ちしてしまい、観劇は叶わなかったですが、今、大号泣をしながら大千穐楽の映像をみてます。

 

この舞台の情報公開された時に「え!どうやってやるの!?」しかも演出がジョンケアード!!!ますます気になる、、、

 

と、しょうがなかったので、配信を決意してくれた東宝さんに感謝です。

 

萌音ちゃん、カンカンのどっちの公演もみました。

 

やっぱり演出すごいなぁ、、、と。

 

普通だったらキラッキラでフライングで特効使って、とかってなりそうなのに、

まさに大澄さんが言ってたように「マンパワー」で無駄なく繊細に、そして宮崎作品へのリスペクトが詰め込まれたステキなカンパニーだなと。

特に、登場する9割が人間じゃないし、アニメ映画原作っていうのもあって、大体のキャラクターに絶対多少の違和感が出るだろうと思ってたけど、上手いことパペットと衣装・メイクで表現されてて、唯一の違和感といえば、坊。あんまりあの形でいることなかったけど。

 

もちろん背景に東宝っていう日本の大衆舞台業界のトップ(?)がいて、原作ジブリという日本の財産を生み出すクリエイティブ集団がいて、そこらの舞台とは比べ物にならないくらいの予算がついてるんだろうなとも思うけど、それでもやっぱりどこも無駄のない美しい舞台作品だなぁと。

 

ジョンはじめ舞台制作陣のジブリへのリスペクトも強いけど、宮崎駿と鈴木さんの上手い作品の手渡し方とジブリサイドの協力も見事。音楽もそのまま使える、パペットとかキャラクターもふんだんに使えて題字は鈴木さんだなんて。宮崎駿の意志で舞台は観ないのが条件って言ってたけど、是非観て欲しかった。

 

普通この大規模の舞台の大千穐楽ってなると博多座か梅田かな、って感じだけど、愛知の御園座で終わるってことは、そのままセットとか新しくできるジブリパークに置いてくからなのかなぁと。

てなると再演はないのかな。

 

◎個人的に好きだなって演出もろもろ

 

・透明になるシーンの演出

序盤、神さまの世界に紛れ込んだが故に身体が透明になるところ。今現在、人間が透明になれることなんてないからどうするんだろうとおもうけどなるほどオーガンジーっていうのかな?あれを使うと確かに透明になってるように見える。もはや透明だった。

 

・小道具の受け渡し

セット回転も目まぐるしくて凄いけど、小道具の受け渡しがナチュラル。しかも結構その小道具が重要だったりして、いつからそれ持ってた?とか違和感のない無駄のない受け渡しがすごかった。

 

・アンサンブルさんたち

千穐楽でも言ってたけど、最後を目の前にしてやったことのない配役を見事にこなすアンサンブルさん。普通に踊れて歌えて演技できるだけでどの舞台みててもすごいなって思う。

そんなに黒子が出てくる舞台見たことないけど、ちゃんと一人一人の動きも決め込まれててきれい。顔を隠さないあたりも、1人の演者として出演してるっていう、演じる側としても緊張感あるししっかりみんなめちゃくちゃ作品の登場人物として溶け込んでた。

 

・萌音ちゃんとカンカン

ダブルキャストって比べられたりなんだりでめちゃくちゃ大変だけど、正反対の2人がゆえに全然違う千尋だった。

萌音ちゃんはさすが舞台経験豊富でナイツテイルも次のジョンの作品も決まってるくらいジョンに演技を認めらるほどの役づくりの完璧さ。もね千尋は完全に物語の世界観に引き込まれる。

カンカンはたしか舞台初?で初主演で、しかもダブルキャストで相手が萌音ちゃんなんてプレッシャーすごいだろうに、カンカン千尋がしっかり生きてた。多分周りがしっかり活かしてくれたんだろうなって思うけど、小学生なりのエネルギッシュさと千尋の力強い性格が滲み出てて、現実味のある千尋だった。

萌音ちゃんは千尋のモデルの奥田プロデューサーの娘さん、カンカンはそのお母さんに雰囲気似てるって宮崎駿さんか鈴木さんが言ってたからもうその時点で2人とも千尋なのよ。何言ってるんだ。

 

・三浦くんと醍醐くん

ハクさま。醍醐くん、あまり存じ上げてないけど「天気の子でオーディション勝ち取った」「弱虫ペダル主演」とか普通にエリート。キャラクターを演じるのはもはや得意ですよね。

三浦くんはバレエダンサーよ。

まだ配信見れる方はぜひ、前半のハクが竜になるシーンを見てほしい。完全にバレエダンサー。このシーン動きが2人で全く違くて、ちゃんとそれぞれの特徴をうまーく表現してて好き。

 

カオナシ

カオナシ役を超ゴリゴリ各地で大活躍大物ダンサーにしちゃうのもはや拍手。

こういうのが舞台の面白いところなんだろうな。

所々スッポンで回収されてくところ、好き。

 

・オケの位置

カーテンコールまでこんなところにいたの!?ってびっくりした。始まりでセット見た瞬間、オケピ潰してあって、ストレートプレイなのに所々歌あるし、生オケだろうなっていう音の響き具合だったからあの位置にオーケストラを収納したのすごい。

 

舞台見ながら描き残したいところもっとあったけど、

 

でも一つ、本当に悔しいなぁと思ったのが、

演出が日本人じゃないとこ。もはや日本人にできる人いないのかなぁとも。

かといってジョンが、、、てわけではなくて、レミゼ好きだしすごい演出家だと思ってるけど、

特に千と千尋神道感、アニミズム感って日本人独特の感性だと思ってたけど、ジョンにあんなに繊細に見事に演出されたのが、別に私は演出家でもない通りすがりの25歳だけど、なんか悔しい。でも千と千尋の作品自体アカデミー賞獲っちゃったくらいだから、なんか外国人にも通ずるなにかがこの作品にはあるのかな。

 

そんなこんなで色々書き連ねましたが、

最後に一言。

生で観劇したかった。

 

なにより関係者の皆さん、

3月から7月までの102回公演、大変お疲れ様でした。

 

本当にこのコロナというご時世で色々悔しいこと辛いことあったと思うけど、それでもこの舞台を見事に作り上げてくれたこと、本当に感謝です。